スタッフを束ねる「看護管理者」とは?

最近では医療を取り巻く環境が大きく変化しており、看護の質が病院の質をきめる、と言っても過言ではありません。そんな中、現場を管理する看護管理者は注目のポジションとなっています。

スタッフを束ねる「看護管理者」とは?

看護管理者とは

看護師は患者さんの一番近くにいる存在であり、24時間365日稼働しています。
看護師のキャリアは大きく4つあります。まず、主任看護師、看護師長、看護部長などのように段階的に上がっていくマネジメント職です。他に、専門看護師、認定看護師、診療看護師などといったスペシャリスト系、特定の分野に限らず広い知識と技術を発揮するジェネラリスト系、大学院や研究者になるアカデミア系があります。
アカデミア系を除いて、組織内のキャリアアップには3つの軸があります。その軸を看護管理者は効果的に活用していかなければなりません。看護の質を向上させるためには、スペシャリスト系を活用しつつもジェネラリスト系に実践力の向上をさせていくことが重要になります。
また、看護管理者は、病院の目標を達成するために人・モノ・カネなどのリソースを活用しながらマネジメントを調整していかなければいけません。日本看護協会は、看護管理者の役割を「看護の対象者のニーズと看護師の知識と技術が合致するように計画して、人的、物質的、財政的なそれぞれの資源を組織化して看護師を目標に導き、達成度を評価する役割」と定義しています。

看護管理者に求められること

看護師の管理職は、主任、師長、部長などがありますが、他にもたくさんの役割があります。看護管理者は役割や業務を振り分けるだけでなく、育成も視野に入れて役割を与えていかなければなりません。
また、幅広い視野での看護管理が求められます。たとえば、組織の方針を実現するべく、リソースを活用し看護組織を作っていく力。患者の生命と生活、尊厳を尊重しながら看護の質を保証する力。将来を見据えて看護人材を育成していく力。リスクを予想して回避し、安全を確保して危機的状況を最小限におさえる力。制度や政策を活用して看護の質を向上させるための立案ができる力。幅広い視野でこれまでにないものを作り出そうと挑戦できる力などです。

看護管理者のレベル

看護管理者の能力を段階的に示したものがあります。4つのレベルがあり、それぞれ必要な能力があります。
レベル1「看護主任」は、看護管理者とともに自部署の看護管理ができる。
レベル2「看護師長」は、自部署の看護管理ができる。
レベル3「副看護部長」は、看護管理をトップマネジメントを担う一員として実践できる。
レベル4「看護部長」は、病院全体の看護管理ができ、病院運営に参画するとともに地域まで視野を広げられる。
職位でレベル分けされていますが、あくまでも病院管理者として必要な能力を示しており、職位で決定されているレベルではありません。

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